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より個別的・継続的・横断的なセーフティーネットワークをめざして

2011年 01月29日 10:20 (土)

突然ですが「パーソナル・サポート・サービス」ってご存知ですか?

内閣府が検討・推進している貧困・困窮者支援施策「パーソナル・サポート(個別支援)サービス」は、支援を必要とする一人ひとりのニーズや状況に応じた、きめ細やかな支援体制をめざす方策です。

「パーソナル・サポート・サービス」とは、生活に困りながらも周辺に支援してもらえるところがなく孤立しつつある人に対して、パーソナル・サポーターといわれる相談員が個別的かつ継続的に、相談やカウンセリングなどのサービスにつなぐ…という「人によるワンストップサービス(関連する支援がすべて一ヶ所で行えること)」を担う方策です。イメージは「専門知識をもつ友人」。病院を退院したら、生活保護を受け取らなくなったら、その人との関係はなくなる…ではなく、パーソナル・サポーターはその後もその人の友人でありつづけ、必要なフォローを続けていきます。

この「パーソナル・サポート・サービス」を提唱しているのが、内閣府参与の湯浅誠さん。1995年よりホームレスの支援活動を行うようになり、2008年の年末には年越し派遣村を立ち上げるなど反貧困活動、貧困支援活動で知られている方です。

その湯浅さんが、このたび「らいとぴあ21」を訪問されました。というのも、この春から「暮らしづくりネットワーク北芝」が「パーソナル・サポート・サービス」の箕面市モデル事業を受けることになり、その事前視察として来られました。

そして、こちらの活動を見てもらうだけでなく、「パーソナル・サポート・サービスがなぜ必要なのか?」についてのミニ学習会も行いました。

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湯浅さんのお話を概略すると・・・

2000年代から明るみになってきた貧困問題ですが、いまや特定の人の問題ではなくなってきました。これまで個人(そしてその家族)の生活を守ってきた国家・企業の「傘」がこの20年でしぼみ、「傘」の外に位置する人が増えています(※イメージ図)。「傘」の外には支えるものが何もなく、税制面、社会保障、世間体、自己評価におよぶまで圧倒的に不利です。ですから、この「傘」の外に新たな「傘」あるいは「場」を作ることが必要で、そのひとつが「パーソナル・サポート・サービス」なのです。

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社会の「傘」イメージ図。
これまでにも傘の外にいた人たち(=生活において不利な人)もいる。


「パーソナル・サポート・サービス」は、これまでの福祉制度の死角に位置して見えなかった人、制度の限界によって支えきれなくなった人を、家族や友人に立ち代って支えます。湯浅さん曰く「やればやるほどどこに『死角』があるのかが見えてくる。それを指ししめしてほしい。」そして足らずを作りだすことが社会運動のミッションである、と期待を込めて私たちに訴えかけます。

また、この動きを「特定の人だけのもの」と捉えるのではなく、(すでに特定の人の問題ではなくなっているように)「社会全体をまわしていく為に必要なもの」として取り組んでいくことが重要です。しかし、世間はまだ「大多数は傘の中にいる」と誤解しており、必要性を理解してもらうためにも、世論を作っていくことが今後の課題です。

「らいとぴあ21」でも、この間、教育、就労など生活のなかでぶつかる課題に対して総合的な相談事業を行ってきました。それぞれのケースは多種多様で、個別ケースに応じた支援の必要性を実感しつつ、それに対して果敢に取り組んできました。

また地域活動においても、拠点を通じて「であい・つながり・げんき」の場を作り、新しい人材の育成や活動の掘り起こしなど、地域の活性化につねに力を注いできました。

今回の「パーソナル・サポート・サービス」事業は、これら「暮らしづくり」の特性を生かし、萱野地域だけでなく箕面全域を対象とした活動を進めてくことになります。国のモデル事業ということで、今回の成果が全国的な指標になるとも言え、その意味でも責任は重大です。

そのときの成果として「就労者が増える」ということも指標のひとつではありますが、湯浅さんが示したもうひとつの指標は『笑顔』です。その人の生活の質をあげること、生きがいをもって生活すること、『笑顔』を増やすことこそが、社会がめざす本願。だったら、やっぱりやる方も、これまでのように楽しんで取り組みたい!と、緊張と同時に、希望も新たに抱く日となったのでした。


テーマ : まちづくり
ジャンル : 地域情報